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2011年 01月 04日
無自覚
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昨年8月下旬、カイシャに行って、
シャチョーに会ってみようと思った。

その日実はある関係者に会っていて、
本当にこの問題は、多くの人の負担になっていると
痛感した。

その人とだって、忙しい合間を縫ってやっと会えたのに、
お互いにもっと前向きな話が出来るわけでもなく、
一体この争議がどんなことになっているかを確認しながら、
ため息が出るばかりだった。

なぜあのシャチョーのわけのわからない言動に、
これほどまでにみんなで振り回されなくてはならないのか。

みんなで考えても考えても、シャチョーの言動は
解明できない。
考えることがどれほど無意味なのだろうと、
うだるように暑い街を歩きながら思った。

もういきなり本人に聞けばどうか?
そんなアイディアが出た。
そうだな、と思った。それがいちばん簡単なのだろうと。
じゃあ、今日行けば、と。
一瞬驚いたが、すぐにその方がいいと思った。
こういうのは、迷わずに、思ったときに行くのがいいのだ。


カイシャが分室と主張するビルに行くと、
シャチョーがいた。
そして、二人で近くのファミリーレストランへ行った。

その日は、
シャチョーの驚くべき被害妄想、勘違い、嫉妬など
様々の決して見たくないものを見ることとなった。

シャチョーは
「いつかこうやってキミが来るのを待っていた」と言った。

いつもシャチョーは勘違いする。

これまでの団交でも
「解雇だと思ったのなら、なぜ自分のところに直接、
おかしいじゃないかシャチョー!と言ってこないんだ。
俺はみんなが話しかけてくるのをずっと待っていたんだ」
と言っていた。

何とも自分勝手な発想。
誰からもうとまれるようなことをしておいて、
俺のところに来いよ、という。

シャチョーは
自分のやったことに対してあまりに無自覚すぎる。

会社の借金の連帯保証人を要求し、
それを押しとどめた社員を見せしめに
真っ先に首にしようと計画し、
おかしな社長命令を乱発した。

突然見知らぬ男を会社に派遣して暴れさせ、
法律をちらつかせて脅して、
自分たちを会社から身一つで追い出し、
その上サイバンで訴えた。

それらの全てを忘れたというのだろうか。

普通そんな人間に会いに行くのには相当の勇気が必要だ。
だいたい団交の中でも、シャチョーは何一つまともなことを
言わず、全てを人のせいにし、嘘をつき、はぐらかしては
こちらを攻撃してきた。
誰がそんな人間に会いに行こうと思うのだろうか。

シャチョーから出てくる数々のことばは、
一見カイシャのため、キミたちのため、
クライアントのためと言いながら、
いつも自分のことばかりだ。

それでも自分が、シャチョーと会おうと思ったのは
ただもう解決のためだった。

サイバンでシャチョーが出してくる書類は、
この人と二度と話したくないと思うような悪質で、
デタラメで、非人道的で、勝つためになら何でも
でっちあげるどうしようもないものだった。

本気でそれを言っているのか、
シャチョーは本当のところどう思っているのか、
どう感じているのか。

そこを確かめたいと思った。


結局、見てはいけないものを見たような気になった。
そこに居たのは、まともな話の通じない人物だった。

けれども同時に、教育の会社を営む経営者だった。
目の前が暗くなり、何とも言えず悲しい気持ちになった。

半分の目的は果たした。
本当のところ何を考えているのかを知りたいということは。

けれどもそれは、開けてはならないパンドラの箱のように、
恐ろしい魔獣が巣食う世界だった。


解決のため。
その目的を追いかけるため、
そこからの長い道のりが始まった。

ノッド

by eduq_union | 2011-01-04 23:03 | ノッド


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