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2010年 08月 04日
盛夏
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2年目の夏、今年の夏はとびきり暑い。

家のベランダにあるゴムの木の新しい葉が
今年は弾けるようにどんどん出てきた。

毎年、夏の時期に出る新しい葉が、
なぜか昨年はひとつも出なかった。

2年越しで出た葉には、
新しい輝きとやわらかな命が漲っている。

このゴムの木は、会社にいたとき
一緒に働いていたみんなから
誕生日にプレゼントされたものだ。

うちに来た時はもっと小さかった。

わたしは、ただ様子を見て、
水をあげていただけ。

季節は巡り、脈々と命は育まれ、成長する。

久しぶりに、教育と探求社のHPを訪れた。

張りぼてのように過去の導入校を並べ立て、
会社を追放した社員たちが心をこめて
つくりあげたものたちが、
ショーケースの中にきれいに並べられていた。

季節は巡り、わたしたちも成長した。

新しい葉の1枚も出ない年があるかもしれない。
でも、その奥には次の命がちゃんと育っている。

自分に嘘をつかないで、大切なことを守って、
困難でも自分たちで選んだ道。
絶えても先に続く命。

水をあげて見守っていたら、きっとまた命は続く。

わたしたちの最も大切な命までは絶えなかった。
理解し合い、対話をし、
共に分かち合う命の泉のような場所。

今、仲間とともに在ることを、
心から、よかったなぁと思った。


メニ

# by eduq_union | 2010-08-04 21:06 | メニ
2010年 08月 03日
サイバン
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今日はサイバンだった。

午前10時、霞ヶ関。
駅から地上へ出ると蝉の鳴き声が聞こえてきた。

この日も暑くなりそうだ、と思う。

裁判所へ入るといつもの荷物検査が待っている。
以前空港で引っかかったことのある靴で来てしまい
「しまった」と思ったが、音は鳴らず、
そのまま入れたことがある。
その時から何かこのことは、建物に入るための
通過儀礼だと思うようになった。

荷物検査を終え、打ち合わせ場所である
1階奥の弁護士控え室というところへ向かう。

裁判所の地下には郵便局や喫茶店、コンビニまであって、
打ち合わせの前にはみんなそこで飲み物を調達する。

僕はこの日はじめて行ったのだが、
当たり前だけどふつうのコンビニ(ファミマ)だった。
コンビニに来る人以外にも地下にはたくさんの人が
行き来していて、喫茶店のガラスは曇っていてよく見えないが、
そこにも結構な数の人がいて談笑しているようだった。
ドアを開ければ、タバコの煙がどっと溢れ出してきそうだ。
そんな風景だけを見ればどこかの役所と
変わらないように見える世界が広がっている。

コンビニで水を買う。
ここはどうしても喉が渇く。
そういえばはじめて労働審判で訪れた時もそうだった。
あの日も緊張からかどうしようもなく喉が渇いた。


裁判所の一直線にのびる廊下。
そのつきあたりの窓からは東京タワーが見える。

このサイバンは法廷ではなく
この12階の廊下のつきあたりにある会議室のような
普通の部屋で行われる。


そして、サイバン。
時間にすれば20分足らずであっという間に終わった。

会社側の文書を読んだ裁判官がこれで土俵が設定されたとし、
これから先は「口頭弁論」というものへ進んでいくということだった。
また、「人証申請」「主尋問」「反対尋問」という言葉も出てきて
何やらサイバンは本格化する様相。

“ニンショウ”というのは後から弁護士に聞くと
人の証と書くらしく、それぞれが証人を呼んで
証言をしてもらうということらしい。
テレビで見るような法廷劇が思わず脳裏に浮かぶ。
反対尋問とは相手側が呼ばれた証人に対して
鋭い質問をすることか。

何か理解が追いつく前にトントンと進んでいく。
とてもじゃないけど損害賠償額1300万円という大金の
リアリティは僕にはない。

そして法廷ではないけど
やっぱりその会議室は裁判官のお城のようだ、と感じた。
サッカーの判定が覆らないように
ここにはここのルールがあり、それが絶対、のようだ。

同じ建物の中で裁く人裁かれる人とが
厳格なルールの元に共存している。
サイバンで闘う者同士が同じ部屋でそれぞれに打ち合わせをし、
時には同じエレベーターに乗り合わせたりもする。
そして、
そこには郵便局も喫茶店もコンビニもある。

サイバンを終えてのお昼時、地下には蕎麦の匂いが漂っていた。


ユイ

# by eduq_union | 2010-08-03 00:03 | ユイ
2010年 08月 02日
民事裁判(損賠3回目)
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本日は名誉棄損と業務妨害における
民事裁判の三回目。

過去二回とも10分前後で終わる「弁論準備」というもの。
よくテレビで見られるような、
法廷の中心に裁判官がいて
被告と原告に分かれて対峙するようなものではない。
そういうのは「口頭弁論」と言うらしい。

弁論準備とは、口頭弁論の前に争点や証拠の整理を行うことで、
裁判の長期化を回避するものだそうだ。
20~30人が入るどこにでもあるような会議室で、
裁判官と被告・原告が集まり、
準備してきた書面の取り交わしを行うのがメインだ。
素人には何かの儀式のようにしか見えない。


会社側は、それまで裁判官から
争点の主張が曖昧であり、
議論の土台をちゃんと設計してこいと指示されていて、
今回それを書面で提示してきた。

この会社側の書面提出によって、
裁判官は法的主張が整理されてきたとし、
我々の代理人弁護士にどのようなアクションをとるのか尋ねる。

法的に素人の私には、
会社側の主張がこれまでと何が変わっているのか、
皆目わからない。
変わったとすれば、業務妨害の主張が消えて、
より脆弱になったということだけだった。

しかし、裁判官に質問しようにも
裁判官自体に発言を制止されて、
代理人の弁護士を通じて質問するようにと言われる。

まるで江戸時代にタイムスリップして、
お殿様にでも話しているようだった。

そして、当事者である我々は
議論の内容がわからないまま置き去りになっているが、
そんなことを裁判官は微塵も気にせず先に進める。

最後はわれわれが反論書を作成するということで、
今回も15分程度で終了。
そして、次回は1ヶ月後に開催される。

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「裁判所」という場所。

なにやら法律という人間が捻り出した
無味乾燥で無機的な思考の塊が優先されて、
そこで守るべきあたたかい人間の存在が
すっかり抜け落ちているような場所だと感じる。

いったいここでは何が大事なのか。
裁かれる者と裁く者。
そこを分け隔てる違いは何か。

楽園や天国という場所とは程遠い空間だ。

自分は来もしないが、
我々をこのようなところに追い込んで笑っているシャチョーは、
果たしてまだ人の心を持っていると言えるのだろうか。


ハレ

# by eduq_union | 2010-08-02 23:57 | ハレ
2010年 08月 02日
身支度
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今日は損害賠償裁判で、東京地方裁判所に行く。

少し曇っているけれど、今日も暑くなりそうだ。

何を着ていこうかと考え、
テーマカラーは白&紺に決めた。

白は清廉潔白、
紺は身を守ってくれるのと同時に
自分を整えてくれる色だ。

白いポロシャツと紺色のパンツ、
これだけだと何か物足りない・・・

あのコンクリートの冷たい中にいる自分を想像し、
この夏の爽快さ、晴れやかさを身に纏おうと
コバルトブルーのカーディガンを羽織った。

いい感じだ。

最後に「怒り」を装着して、準備万端。

さあ、行こう。


メニ

# by eduq_union | 2010-08-02 08:07 | メニ
2010年 08月 01日
スカスカ
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「スカスカ・・・」

カイシャ側が提示してきた書類を見たとき、
私たちはみんなそう思った。

それは、カイシャが私たちに対して、
「損害賠償」を要求している裁判の書類。

この裁判の初めの日、裁判官から
「争うべき土俵をつくってください」
と云われ、その返答としてやっとのことで
出てきたものだ。
それを言われたのは5月のことだったのだ。

しかも訴えを起こしたのはさらにずっと前の2月。
ここまでに半年もの日々が経過していた。

そもそもからして、
この訴え自体、中身はカラッポだった。
訴えの内容を示す書類は分厚いけど、
スカスカしていて軽石みたいだった。

だから、
具体的な事実に基づく因果関係など、
“実”のあることで補充されるのだろう、
そう思っていた。

でも、
スカスカのまま。

要約されて、さらには省略までされて、
より薄っぺらい。

「これが土俵なの?」

これじゃ、どこにあがっていいのかも
さっぱりわからない。

だいたい、
なんでこんなスカスカしているものに、
9名もの弁護士の名前を連ねて
こんなに堂々と送って寄越すのか。

大切なのはやはり中身より見せかけなのだ。
本当のことなど最初から扱う気もない。
そんなことがはっきりと現われている、
そう感じた。

これって、
ちゃんと争う意味があるの?
いったい何がしたかったの?

いずれにせよ明日は裁判だ。
そこで、なにかカタチは示されるのだろう。

だってそうしないと、
どこにも進むことができないのだろうから。

お金を使って人を雇って、
あのシャチョーのやっていることは、
スカスカの危険な遊びなんだと思えてくる。

本当の原因を見ようともせずに、
後ろを向いてマッチを擦る。

大人も火遊びをするのだ。
危険な人だと思う。


セツ
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# by eduq_union | 2010-08-01 23:10 | セツ